これまであまり分析されてこなかったグランドピアノのタッチウエイトですが、スタンウッドの研究を機に最近は次々と新しい研究が発表されるようになってきました。私も独自の研究を踏まえてそこに参加しています。その成果を少しでも広めようとこのブログを継続し展開していくことにしました。 ピアノ技術者向けの内容ですが、一般の方にもわかるような内容を目指したいと思います。
2013年11月18日月曜日
タッチを変える Part 9: ハンマーストライクウエイトとハンマーストライクレシオ
スタンウッドの公式の最後のパーツはハンマーです。
ハンマーストライクウエイトもウイペンウエイトと同じように、全体の重さではなく右上の写真のようにアクションの中で実際にかかる重さを測定します。フレンジはアクションの中では固定されているので、測定に影響がないよう上に向けて垂直に立てて支持台に載せます。シャンクが水平になるよう支持台を調整して、デジタル秤で数値を読みます。普通6gから13g程度の範囲の数値になるはずです。
アクションストライクレシオは測定ではなく計算によって求めます。
基本の公式 BW+FW=(KR×WW)+(HSW×R) を変形してR=の形に持って行きます。すると、
R={(BW+FW)-(KR×WW)}÷HSW
になることがお分かりでしょう。
BW,FW,KR,WW,そしてHSWはすべてこれまで説明してきたように測定できていますので、この式に当てはめれば計算によってRを求めることができるます。手で計算することはもちろん可能ですが、この後これを利用してタッチを改善する可能性をシュミレーションしていきますので、表計算ソフトを使わないと大変です。
このスライドショーの紹介が全部終わった段階(全30数枚)でこの計算式も含めた表計算ファイル一式を無料で希望者に配布します。希望される方はyuji@jenkinpiano.co.nzまでその旨書いてご請求ください。すでに英語版のスライドショーの時に請求いただいている方にはメッセージを頂かなくともお送りします。
具体的なこの表計算ファイルの使い方については、次のスライドでもう少し解説いたします。
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