2017年5月3日水曜日

スタインウェイ・モデルAのハンマー+ウイペン交換


スタインウェイのA型のハンマー、シャンク、ウイペンの交換をしました。


過去すでにハンマーを交換されていて、しかも長い年月ろくに手入れもされていなかったためコンディションはかなり悪いものでした。
タッチウエイト系から見てみると、軽めのハンマー、ローラースプレッド寸法15.5mmのシャンク、ウイペンアシストスプリング付きウイペン、固いバランスホールやゆるいフレンジセンターとひどい整調などのため、タッチはかなりひどくバラバラでした。鍵盤も鉛調整が強引・雑な作業だったようで、割れていたりかしめが緩かったり、さんざんでした。



今回はアーベル社製のシャンク(ローラースプレッド寸法17mm)と古いスタインウェイ向け軽量ハンマー、そしてウイペンはトキワ社製のハンブルグ現行互換品(ヒール傾きあり)を使用しました。


タッチウエイト分析では、ハンマーストライクウエイトの減量(指標7目標)、ヒールへの厚紙挿入、バランスパンチングクロス半カットによってFWシーリングマイナス5g程度、BW36g、SR5.5程度を見込みました。オリジナルのSRは6.5を超えていたのでアシストスプリングなしには適当なタッチウエイトは出なかったのでしょう。タッチをきちっとさせるため、また互換品としてもスプリング付きの製品は少なくより高価になるのでスプリングなしの通常ウイペンを使用しました。

この仕事は2週間半しか実作業ができない納期設定だったので、HSW調整は±0.5gの範囲でかなりざっと揃える程度しかできませんでした。それでもしっかり整調や鉛調整もやったのでタッチ感はそれなりに良好でした。キャプスタンスクリューが斜めに植わっているタイプでしたが、直立に変更する時間的な余裕はなかったのでそのままです。そのためかウイペンヒールへの厚紙挿入の効き目はやや小さめでした。

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