2016年11月29日火曜日

APTTA コンベンション2017のお知らせ


オーストラレージアピアノ調律師・技術者協会コンベンションのお知らせです。来年2017年10月17日より19日までの日程で行われます。

APTTA Convention 2017 will be held on 17 to 19 Oct 2017 in Adelaide, South Australia.

APTTA総会と共に技術セミナーでは初級から上級まで幅広く多様な講義が行われる予定です。また、スポンサーによる展示もあります。

私は1時間半の講義を2つ行う予定です。1つは新しいアクション部品(シャンク・ハンマーやウイペン)を装着するときのセットアップ手順を解説します。現物アクションを題材に具体的に重くする場合と軽くする場合をセットし、弾き心地を比較する予定です。
もう一つは慣性モーメントについて掘り下げていきます。まずそれがどのような概念なのかを簡単な体験を通じて理解していきます。そしてギアレシオとは何か、それによって個別の慣性モーメントがどのように換算慣性モーメントとして変換されるのかを考えます。

I have been invited for two 1.5 hour lectures at the convention.   

Class 1, “Grand action set-up”
Replacing hammer, hammer shank (and whippen) is one of common jobs for us. In this class, I am focusing on the view of touch weight parameters which affect both static weight and kinetic resistance. Touch weight can be adjusted within reasonable range for variety of clients who request lighter, moderate or heavier touches. Show procedure and make actual samples where you can reach.    
Class 2, “Understanding inertia”
Understanding inertial effect is essential for us to build up better touch intentionally. However we have known very little fact about it. “Dynamic touch weight” was one of them but it doesn’t explain much about what we can do on it. In this class, try and feel actual inertial effect with actual parts. Also we are looking at gear ratio and linked moment of inertia to understand this phenomenon deeply.    

詳細は今後APTTAのウェブサイトを通じてアップデートされていきますので興味のある方はそちらをチェックしてください。http://www.aptta.org.au/conventions.aspx
なお、これらの講義の内容は日本での研修会シリーズ(中・上級編)にも取り入れる予定です。

Please refer APTTA web site (link above) for further information. Contact Guus for any inquiry about this event. (His contact details are in below document.) 





2016年11月20日日曜日

スタインウェイDのチューブラーレール交換


今回の仕事のメインはスタインウェイDモデルでの亀裂の入ったチューブラーレール交換と錆びて膨らんできた鍵盤鉛の交換でした。ピアノ自体はかなり古く、しかも30年程度前にすでにリビルドしてあります。(スタインウェイロンドンで行ったものだと聞いていますが、質はイマイチな感じです。)

鍵盤鉛がとても多く近接しすぎて割れていたりもしていました。ハンマーは肉厚がありテーパー加工も少なく重めの感じでした。

まずは修理部分から。穴の開いていないレールを購入してあったので、オリジナルのレールに合わせて穴の中心位置を出しドリルで加工します。ボール盤に広い作業台を固定した上でドリルの中心を正確に合わせます。写真は座繰り加工の様子。


チューブラーレールの断面は下の写真のような形状なので、2本の細いレールを使ってレールが揺れないようにし、また加工穴が垂直になるようにします。


工房の隣が鍛冶屋さんなので、穴あけの済んだレールと位置出しジグを持ち込み交換加工をお願いしました。古いレールを取り去って、新しいレールを溶接してもらいます。

レール交換が終わったら、フレンジの載る部分をきれいにしておきます。

ハンマー+シャンクは元のものを使いますが、装着前にハンマーストライクウエイトの測定をしました。低音が#10~11、中音#9~11、次高音#11~12、高音は#13~でしたので、加工限界量を考慮に入れながら目標ラインを決めてテーパ加工を行いました。最終的に低音#10、中音#9~11、次高音#11~12、高音は#13での仕上がりです。今回は鍵盤鉛の量を減らすのが主目的なので、さほど厳密な加工ではなくかなりあったばらつきを低めに揃える程度にしました。

ストライクレシオとギアレシオを一段下げるためにウイペンヒールへ布ペーパーを挟み込みました。ウイペンの作業ついでにレペティションスプリングの溝にべったりグリス状のものが塗られていたのでそれもきれいにしておきます。

シャンクを組み込み間隔や走りを粗調整、ウイペンを組み込みこちらも同様に粗調整します。今回の修理はアクションだけを持ち帰っているので、弦合わせはピアノに組み込んだ状態で仕上げます。アクションスプレッドも確認しましたが、おおむね1mm以内のずれで収まっていました。

整調をします。レールの位置がずれているせいでかなりの作業量になりました。

鍵盤はアクションの作業に並行して同僚にお願いしました。古い鉛をすべて抜いて割れた木部を修理、不要になる鉛穴は木目方向を合わせたプラグを埋めて接着、鍵盤鉛調整に向けて準備完了です。

バランスウエイト基準の鍵盤鉛調整をしました。コンサートピアノは鍵盤が長く慣性モーメントが大きすぎるので鉛重心位置を中央よりにしたいところですが、今回は元の鉛穴を有効活用したいということもあり低音・中音では手前の大きい鉛一つはそのまま入れて残りの分を中央めに配置しました。それでもレシオを小さくしたこともあり、もともと6~7個入っていたあたりでも最高4個で済ますことができました。

事前の作業が終わったので、会場に持ち帰りピアノでの作業。弦合わせなどかなり大変でしたが、最終仕上がりは満足いくものとなりました。

タッチウエイトマネジメントを利用しての仕事の一種として紹介しました。今回は平衡等式や表計算も使用せず、まずは軽くすること・鉛を減らすことを前提に作業しました。ハンマーストライクウエイトを調整するためにスマートチャートのみ使用しました。ストライクレシオも計算していません。これまでの経験でスタインウェイの数値は把握できていましたし、タッチウエイトは補助的な仕事だったのでこれで十分と判断しました。



2016年10月9日日曜日

タッチウエイトマネジメント研修会2017のお知らせ

タッチウエイトマネジメント研修会2017年シリーズのご案内

来年(2017年)の日本での研修会日程が決まりました。研修内容の詳細については今後各会場の担当者と詰め、各会場ごとに詳細を発表していきます。
来年のシリーズでは新たに関西地区と中部地区での開催が決まりました。今まで参加できなかった方は是非お運びください。また、他の会場は今年に引き続いての開催です。内容も会場ごとに設定を合わせて、より深みのある研修会にしてまいります。


5月27日東京会場(全日、中級編の予定)
 日本調律師協会関東支部主催です。今年の研修会をベースにより実践的な研修でより理解を深めます。

5月29日・30日仙台会場(2日間中・上級編)
 阿部さんを中心とした有志による開催です。今年の研修会をベースに、より実践的に理解を深めます。

6月3日金沢会場(全日・中級編)
 日本調律師協会北陸支部主催です。今年の研修会の続編として具体的な実機アクションを題材に各種手法について解説していきます。

6月5日・6日関西会場(2日間・初級中級編)
 日本調律師協会関西支部主催です。この地域では初めての開催となります。初日は初級編で基礎的なところを勉強し、2日目はそれを元にどのようにタッチウエイトを変えていくのか実習します。

6月10日・11日中部会場(全日×2回、初級編、あるいは2日間で初級中級編)
 中部楽器技術専門学校主催です。この地域では初めての開催となります。初日は初級編で基礎的なところを勉強します。2日目は参加者を入れ替えて同様に初級編を行うか、あるいは初日から続いて中級編を実習します。

6月13日東京会場(全日・上級編)
 日本調律師協会関東支部9班主催です。昨年と今年の研修会をベースにより実践的な研修を進めていきます。特に慣性モーメントとギアレシオの理解と実際のアクションでの調整方法を体験していきます。

大月清水ピアノ調律事務所工房での開催は現在の所未定です。開催するとすれば上級編・プロ編になります。開催の場合でも今年同様募集せずに定員一杯になることが予想されます。興味がある方は早めに清水敬祐さん(piano.shimizu@gmail.com)に連絡をどうぞ。

なお、清水敬祐さんは関東支部研修委員でもあり拙著「タッチウエイトマネジメントの方法の出版元でもあります。初級導入編の研修会は清水さんも開催可能です。開催をお考えの方・団体はどうぞ上記e-mailアドレスお問い合わせください。




2016年10月1日土曜日

ワインバッハグランドアクションのタッチウエイトマネジメント

ワインバッハのアクションのタッチが重いから何とかしてくれ、と大ボスがアクションを工房に持ち返ってきました。



10年ほど前にうちでハンマー交換をしているピアノで、あまり使っていなかったのが最近良く使うようになってタッチの重さが気になるようになってきたという状況です。

弾いた感じが確かに重い。中音のシャンクフレンジがスティックしている。ハンマーの動きが鈍く、弱く引いたら動かないし強く弾くてもブレーキがかかった状態です。

どういうわけかハンマー交換の際鉛調整はされていませんでした。

基礎測定結果
6mmジグによるアクションレシオは6前半。
2gジグによるストライクレシオは6後半。中音のサンプルはシャンクフレンジがスティックしていたのでデータとしてはSR=7.3という数値が出ました。
フリクションは低・次高サンプルは許容範囲内。中音サンプルは32g、シャンクを持ち上げてみてもかなり低い位置でも落下しない位です。

スタンウッド測定結果
HSW=#9~#10
SR=6ちょい、C4は7ちょい(フレンジスティック)
FW=シーリングマイナス5g程度、次高音はシーリングプラスちょっと
BW=50g以上、次高音は40g中盤

考察と判断
3要素関連表と表計算ファイルでの検討ではHSWを減らし、1段階SRを減らしBW38gで良好になる判定が出ました。

ここで考察。この仕事はさほど精度を要求されておらず、かける時間はあまり多くは見積もっていない。スティックがあるので重いのは当然でそれだけ直してもある程度は軽減されるとは思ったのですが、さすがにBWも重いし簡便な方法を取ってできることをやることにしました。

判断は次の通り
ウイペンヒールへの厚紙挿入とバランスパンチングクロスの半カットをすることでSRを2段階減らしBWを38gに揃えるように鍵盤鉛調整する。HSWは整調も含めて作業に時間がかかりすぎるのでやらないことにしました。

サンプル作り
サンプル音のシャンクフレンジのトルク調整をまず実施。次にウイペンヒールに厚紙(クロスが緩かったので布ペーパー2枚重ね)を挿入。タッチ感は軽くなったものの測定ではSRがわずかしか下がらず。キャプスタンが下の写真のようにヒールクロスのジャック側にすでにずれており、効果が上がらなかったものと思われます。ただ接触部分はわずかとはいえ移動してギアレシオが軽減されているせいか弾いてみると結構軽くなっています。
次にそのまま半カットしたパンチングクロスと入れ替えて測定。SRが0.4から0.6低下。動的タッチ感はさほど変わったように感じませんでした。鉛を鍵盤上に仮に置いてBW=38gで位置とタッチ感を確認。非常に良好なタッチ感になっていました。
ちなみにその後ヒールから厚紙を抜くとタッチ感がぐっと重くなり、意外と元の状態とさほど変わりませんでした。そこで、やはりヒールとパンチングクロスの2段階を行うことに決めました。


実際の作業は会社の後輩に委任。指示を与えてやってもらいました。今までも同様の仕事はやってもらっているのでほとんど追加の指示もなく作業してくれました。もちろん本人はタッチウエイトマネジメントを理解しているわけではないのですが作業自体は知らなくてもできます。知りたいという希望はあるので、基礎部分から少しずつ解説してあげています。

先日この後輩がアクションをピアノに戻しに行ってセットアップ。お客様に大変満足していただいたと嬉しそうに報告がありました。

2016年7月15日金曜日

シンメルグランドのシンプルウエイト調整

日本での研修会ツアーから帰ってきて平常通りの仕事に戻りました。予定表を見たらしばらくタッチウエイトがらみの仕事はなかったのですが、急にこの仕事が回ってきました。

個人所有のシンメルのセミ・コンサートグランド、大ボスによるとタッチが重いのがフレンジセンターと鍵盤ブッシングクロスの固すぎだと考えていたのが、それらを直しても今一つ軽くならないとのこと。ちょっと見てくれ、というので計測しました。試弾してみると確かに動きが重く、特に低音に行くにしたがって重くなる印象がありました。鍵盤鉛は低音が手前に1~2個、中音中ほどから手前に2個、次高音中ほどから手前に1個と、低音の鉛量が少ないようです。ハンマーは普通で、削りしろはある印象でした。
仕事の内容としてはできるだけ簡単に短時間でできて効果があること、個別のばらつきは気にしなくても良い、というオーダーです。

サンプル音での測定結果は次の通り
2gおもりによるSRは5.5から6.0
BWは低音45g、中高音37~40g
FW:シーリング値よりも低音は7~8g軽く、中・高音はほぼシーリング値近辺
HSW:全体に#8から#9
平衡等式で求められたSRは5.7前後

バランスレールはピンを中心に半円形に盛り上がった形状で、バランスクロスの半カットは効果がなさそう、という印象を持ちました(後で実際にやってみたら効果が出ました)。


3要素関連表によるとSR5.8でHSW#8ならばBWは40g。SRは悪くないので、HSWを低めに均してBW基準の鍵盤鉛調整をすれば十分良くなるところです。しかし時間を掛けたくないということで、SRを一段下げた上で特にBWが重い低音だけ鉛調整をすれば良いと判断しました。

実際にサンプルでSR下げの実験をしたところ、ヒールへの厚紙挿入で4~5gBWが軽くなり、パンチングの半カットでも同様に4g程度軽くなりました。鍵盤筬の形状が気になったので、今回はヒールへの厚紙挿入をすることにしました。高音部は十分軽いのでこの作業は行わず、低音から次高音までやることとしました。

実際に作業をした後ざっと弾いたらなかなかの効果が出ていてこれなら問題ない、という程度になりました。次高音と高音のつながりも全く違和感を感じません。

週明けに整調を行った後、BW基準の鍵盤鉛調整を低音から中音下にかけて行い仕上げる予定です。かかった時間は測定・分析1.5時間、ヒール1.5時間。来週行う鉛調整は2時間程度を見込んでいます。

2016年6月20日月曜日

タッチウエイトマネジメント研修会2016終了しました

タッチウエイトマネジメント研修会シリーズのご報告

大月会場 6月18日(清水ピアノ調律事務所工房にて)

今年の研修会の最後は拙著「タッチウエイトマネジメントの方法」の発行元である山梨県の清水ピアノ調律事務所工房にさんにて開催しました。特に慣性モーメントの計算と表計算ファイルの使い方に焦点を当てて、実際にどのようなステップで改造内容を決定し、どのように出てきた数値を判断するかを学びました。

 鍵盤の慣性モーメントを求めるためのテンプレート作成中

表計算ファイルを利用した分析の仕方を実習中

バランスウエイト基準での鍵盤鉛調整のやり方を説明中

今回は上級編という位置づけでした。しかし、このレベルまででこの技術のすべてを紹介できたわけではありません。ここまで理解した上で今度はアップライトアクションへの適切な応用、計算式や理屈の部分の適切な理解、一台をまとめていくために必要な視点と知識、部品交換をする場合のアクション全体のセッティング方法などのいわば超上級編である「専門家編」も考えられます。

さらに、私が現在研究中の分野、たとえばアクション3部品の適切な慣性モーメントの割合の標準化であるとか、アクションの種類や弾き手のタッチ力と慣性モーメントの相関性・標準化などを行う「研究編」も将来的に発展していくでしょう。

今回の研修会に参加された方々がますます理解を深め、来年また会えることを大変楽しみに思っています。最後になりますが、今回の研修会シリーズを主催していただいた方々、そして参加していただいた方々、また拙著をご購入いただいた方々に心より感謝申し上げます。

なお来年の研修会シリーズは、今回実施した会場と新規のお申込みなどですでに開催可能な件数が埋まりつつあります。研修会の開催に興味をお持ちの個人や団体のみなさんは早めにお問い合わせをしていただけると助かります。

2016年6月18日土曜日

タッチウエイトマネジメント研修会2016、広島会場と鳥栖会場のご報告

私の今年の研修会シリーズも大月会場を残すのみとなりました。後半に行った広島会場と鳥栖会場の様子をレポートいたします。



広島会場 6月13日

他支部からの参加者も含めて34名のみなさんと研修会を行いました。今回は5グループに分かれての実習です。実際のアクションを2台、アクションモデルを1台用意していただきました。内容は金沢会場や高松会場と同様で、基礎的な内容を実習を取り交ぜて体験するスタイルです。タッチウエイトのグラム量の変化もそうですが、実際のタッチ感・整調への影響も含めて体験していただきました。会の最後には会場のスタインウェイを使ってクリップをつける前とつけた後でのタッチ感と音色の違いを感じる試弾会も開催しました。ハンマーストライクウエイトによる違いの大きさを感じていただいたことと思います。

タッチウエイトの説明をする筆者

会場全景

アクションにて作業中

九州鳥栖会場 6月15・16日

九州支部主催の今回の研修会は2日間の日程です。台湾から2名と韓国から7名も参加をいただき総勢43名でした。
1日目は基礎の説明と実習です。7グループに分かれてアクションモデルを使います。平衡等式の測定や要素を変化させたときのタッチの変化などを体験いただきました。

会場全景

参加者みんなが手を出して、、、

おもりを載せる位置も正確さを期しています。

2日目はハンマーを交換したという設定での実習です。検体アクションのオリジナルの状態を測定・記録した後、1オクターブ下の重いハンマーに交換し重くなってしまったタッチをどのように解決していけるのか実習しました。まず表計算ファイルで実測のデータからどの作業が必要かを想定します。そしてその作業を順々に行いながらタッチウエイトの変化を確認していきました。ハンマーストライクウエイトの調整は、まず練習用に用意したハンマーを利用してテーパ削りと鉛入れを実習し、次に検体アクションで適宜加工しました。

ハンマー鉛をかしめる実習

ボール盤によるハンマー鉛用の穴あけとサンダーによるテーパー加工

検体アクションで実習中

多くの参加者が拙著「タッチウエイトマネジメントの方法」を傍らに作業していました。ありがとうございます。

今回は機械類も持ち込み実習をたっぷり行ったので、タッチウエイトマネジメントの実際を体感できたことと思います。今後現場で少しずつ実践し、ものにしていってもらいたいと願っています。




2016年6月10日金曜日

タッチウエイトマネジメント研修会どんどん進んでいます

先週末から昨日まで4会場で研修会を行いました。

八王子会場(6月4日)ユーロピアノさん工房にて

昨年に続いて2回目になりました。スタンウッドの計測キットをお持ちの方が増えて、5グループ全部がそれを使用するという快挙!昨年の続きからのプログラムを予定していましたが、数人初めての方がいるのと、昨年の参加者からも復習からやって欲しいとの要望もあったということで、予定を少し変更して行いました。
基礎的な原理や測定方法の復習からスタートして、各種のタッチ変更手法を実習し、ハンマー交換を想定した分析を行いました。新旧ハンマーのストライクウエイトを測定してスマートチャートに記入したり、慣性モーメントの影響を考えました。最後はクリップをシャンクにはめてハンマーストライクウエイトの違いによる音色とタッチの違いを体験して研修会を終わりました。


アクションレシオ測定中

渋谷会場(6月5日)代官山音楽院ホールにて

関東支部研修部の主催で行いました。50名近くの参加者を得て入門から基礎編の研修会です。タッチウエイトの歴史を紹介した後、実習を交えて伝統的な手法と平行等式の測定方法を体験していただきました。簡単にできる方法でタッチウエイトが変わったりアフタータッチが変わったり、実際に現場でも試してみようと思える自信がついたのではないでしょうか。参加人数も多く、9つのグループに分かれて実習しました。スタンウッドの測定器具が5セット、そして私の自作の器具が4セットあり、全員同時に平衡等式の計測ができたのは前日に続く快挙でした。

講義中の筆者

熱気にあふれる研修会場

鍵盤の支点移動を行ってウエイト測定してみる

金沢会場(6月7日)

森の中の素晴らしい環境の中での研修会でした。会場になったホールも広く快適です。渋谷会場と同様のプログラムで進行しました。支部外や非会員も含めて34名の参加で、いつもの研修会よりかなり多い参加者とのことでした。アクションモデルを10台用意していただいたので、1グループ3~4人でウエイトの変化をチェックできました。スタンウッド測定ジグは私の4セットだけだったので昼食時間も使って実習しました。

講師回りのセッティング

放射状にグループを配置し講義と実習を効率良く行いました

高松会場(6月9日)

郊外のきれいなホールでの研修会でした。舞台が上下できたので、客席と舞台を同じ高さにして6グループに分かれて実習しました。当初ハンマー交換時のやり方に焦点を当てて、という予定だったのですが、アクションモデルが6個集まったのと、初めて参加する会員も多いということで、基本プログラムを軸に進行しました。支部外や非会員も含めて31名の参加で、いつもと違う顔ぶれだったようです。北海道からわざわざ参加してくれた人もいました。1グループ5~6人でウエイトの変化をチェックしました。時間の関係でスタンウッド測定は昼食時間を利用して希望者のみとしました。

持ち寄ったアクションモデルにて測定中

ウエイトの変化とアクションの動きを検討中

会場の様子、6グループに分かれて実習です

中盤4会場が終わったので、今日から週末は休養ということで前から回りたかった四国を鉄旅です。天気も良く山並みがきれいでした。

徳島線よしの川ブルーライン乗車中

穴吹駅からの風景

各会場の主催者の皆さま、そして参加者の皆さま大変お世話になりました。また、たくさんの方に拙著をご購入いただきました。ありがとうございました。

来週は広島会場、鳥栖会場そして締めは山梨会場です。今回の研修会ツアーもいよいよ終盤になります。各会場の参加予定者のみなさん、いましばらくお待ちください!

2016年6月1日水曜日

いよいよ2016年のタッチウエイトマネジメント研修会シリーズが始まりました!

いよいよ2016年のタッチウエイトマネジメント研修会の始まりです。今回の一番手は仙台会場です。会場は仙台ピアノ工房さんのホールで、この素晴らしい環境に遠くは関東・中部地方から参加の方も含めて15名が集まりました。
http://www.sendai-piano.com/

みなさんピアノ技術者として高いレベルでご活躍の方ばかりですが、この新しい技術を学ぼうと会場は熱気にあふれていました。
一日目の講義の様子

1日目はまず、導入として基礎講座から始め、伝統的なタッチウエイトから最先端の技術までを紹介しました。
次にバランスウエイトなどの意味を整理してからスタンウッドによる平衡等式を紹介しました。実物のアクションを持ち込み、測定の仕方を実習しその意味を考えていただきました。午後はタッチウエイトを変えるための要素を紹介し、実際にその作業を行った場合にどのくらい重さが変化するか体験しました。3時の休憩後には慣性モーメントの意味を説明した後、弾き手とアクションの持つ慣性モーメントがどのような関係があるのかを説明しました。
最後に会場の備品であるベーゼンドルファのインペリアルのハンマーシャンクにクリップを取り付け、ハンマーストライクウエイトがタッチと共に音色にどのような影響を与えるか、弾いて聞いて確認しました。
6mmジグと押さえジグを利用したアクションレシオの計測

2日目はチェックリストを利用してタッチウエイトマネジメントで必要なデータを各自一鍵分採集し、やり方を一つ一つ確認していきました。そしてタッチウエイト分析計算表を使い、どのような手順で事前分析をするのか、この重くて仕方がないアクションでもやり方によっては使えるものになるのか、順を追ってその解決法の一案を解説しました。
午後は実際にハンマーの軽量化をサンダーで行い、ウイペンヒールへの加工、バランスクロスの加工などを体験しました。また経験としてハンマー鉛を使った増量加工も実習しました。これらをアクションに組み込んだ後バランスウエイト基準の鉛調整を行い、研修会を終わりました。

バランスウエイト基準の鍵盤鉛調整の体験実習

来年の研修会では続編として中・上級編をやりましょう、とのお誘いをいただきました。是非実現したいと思います。主催していただいた阿部さん、参加者のみなさん、どうもありがとうございました。

分担して測定した検体アクションのHSW値をスマートチャートに記入している様子です

2016年5月12日木曜日

タッチウエイトマネジメント研修会2016 関東支部9班研修会のご案内

関東支部9班研修会のご案内です

八王子会場は日本調律師協会関東支部9班の主催です。昨年に続き2回目の研修会開催となります。
今回も1日の研修会で、基礎編のおさらいと応用・実践編を予定しています。ハンマー交換を想定したタッチウエイトマネジメントの具体的な方法を体験します。新しいハンマーに交換する際どのような観点でタッチウエイトを評価し顧客に満足頂くか、その方法を考えていきます。

初級から中級のレベルになります。昨年の研修会を受講したか、「タッチウエイトマネジメントの方法」である程度予習された方にお勧めの研修会です。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。



 【関東支部9班タッチウエイト研修会】 

日程:6月4日(土)9時~18時

参加資格:関東支部9班の班員は優先的に参加できます。空きがあれば他班・他支部・会員外の方々も大歓迎です。予約状況についてはお問い合わせください。

参加費:会員無料、会員外3,000円

定員:20名

会場:ユーロピアノ株式会社 八王子工房 (八王子市元山横山町1-12-6

ご参加申し込み・ご質問 お問い合わせは 
班長 荒尾信隆   E-MAILnobuarao@nifty.com  までどうぞ!

内容のご案内

現状アクションでの計測と分析
・平衡等式の作成と分析
・新旧ハンマーのHSW測定とスマートチャートの作成
・新ハンマーを想定した方向性の分析
・サンプル音で新ハンマーのタッチウエイト測定と分析
・各種タッチウエイト調整を試みて計測
・BW基準の鍵盤鉛調整とPTD式FW調整の比較解説
・慣性モーメントとBWの設定パターン解説

上記予定は詳細のところで予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。

2016年5月7日土曜日

「タッチウエイトマネジメントの方法」2016年研修会シリーズ、もうすぐです!


今年のタッチウエイトマネジメント研修会シリーズもあと数週間でスタートします。各会場ごとに要綱をご案内していますが、ここでまとめて紹介いたします。各会場ごとに参加資格や参加費、また内容が異なりますので、それらを比較しながらご希望の会場を見つけてください。

仙台会場(残りごくわずか、お急ぎください!)
・仙台市内にて5月30日・31日の2日間に渡り開催します。
・有志による開催で広く一般参加を受け付けます。先着20名限定で、参加費は15,000円です。受け付け枠はほとんど一杯ですが、ほんのわずか空きはあります。どうぞお急ぎください。
・基礎編から応用編まで幅広く講義と実習を織り交ぜて学びます。少人数制で参加者全員が実技を体験し内容を深く理解することを目標にしています。(初級~中級)
・お問い合わせ・申し込みは阿部正明さんまでどうぞ。pia18h15@heronet.ne.jp

東京会場①(日本ピアノ調律師協会関東支部研修部主催)
・東京渋谷にて6月5日に全日研修会を開催。
・どなたでも参加できます。会費は会員1,000円、会員外5,000円です。
・入門編から初級編を説明とともに簡単な実技を通して学んでいただきます。
・お問い合わせはnippikantou.kensyu@gmail.com までどうぞ。

東京会場②(日本ピアノ調律師協会関東支部9班主催)
・東京八王子にて6月4日に全日研修会を開催。
・どなたでも参加できます。定員20名。会費は会員無料、一般は3,000円です。
・初級から中級実践編です。ハンマー交換を想定した内容で、具体的な計測方法とタッチウエイトの考察・設定方法を実技を通して体験していただきます。基礎的な知識をすでに持っている方が対象となります。
・お問い合わせは班長荒尾さんnobuarao@nifty.com までどうぞ。

山梨会場(清水ピアノ調律事務所主催)
・修理工房(山梨県大月市)にて6月18日に全日研修会を開催。
・どなたでも参加できます。定員8名。(残りごくわずか、お急ぎください!)
  参加費等は未定です。(決定次第更新します)
・中級編から上級編の内容になる予定です。初心者の方には難しすぎる内容と思われますのでご注意ください。タッチウエイトマネジメントの各要素の設定の仕方や各作業でのポイントなど詳細がわかりずらい部分を重点に解説してきます。また、スタンウッドによる精密タッチデザインやファンデリックとローズによるITF-DIP計算器に関する情報も提供する予定です。
・お問い合わせは清水敬祐さんpiano.shimizu@gmail.comまでどうぞ。

金沢会場(日本ピアノ調律師協会北陸支部主催)
・金沢市にて6月7日に全日研修会を開催。
・協会員は他支部からも参加できます。協会員でない方は北陸地区にお住まいの方のみご参加頂けます。
・参加費は会員2,000円、会員外5,000円。共に昼食付きです。
・タッチマネジメントへの入門・基礎編と初級編です。タッチの変化も体験しながら、アクションをどのように捉えてタッチウエイトを調整するのか学びます。
・問い合わせは勝木さん pftuner@sea.plala.or.jp までどうぞ。

高松会場(日本ピアノ調律師協会四国支部主催)
・高松市郊外にて6月9日に全日研修会を開催。
・どなたでも参加できます。
・四国支部会員は無料、他支部会員5,000円、一般10,000円。
・グランドピアノのハンマー交換の際どのようにタッチウエイトマネジメントの手法を利用して仕上げるのか学びます。講義中心で、どのように準備し何に注意するのか、そしてどのようにタッチウエイトをコントロールするのかなど説明してまいります。(初級~中級)
・問い合わせは御堂さん 080-8630-9757 か、山根さん 090-1000-4312 までどうぞ。

広島会場(日本ピアノ調律師協会中国支部主催)
・広島市にて6月13日に全日研修会を開催。
・どなたでも参加できます。定員40名。申し込み締め切り5月31日
・参加費は協会員は所属支部を超えて1,000円、会員外は13,000円です。(共にお茶と昼食込み)
・昨年の基礎講座を土台にしてより実践的で具体的な手法を学びます。実技も多少取り入れながらタッチウエイトマネジメントの全体像を紹介していきます。(初級~中級)
・内容の問い合わせや参加申し込みについては研修会担当宮尾さん(miyao@jpta.org)までご連絡ください。参加申し込みの際はお名前・所属支部(会員の方)・住所(一般参加の方)・携帯電話の番号そして懇親会の出欠・講師の著書「タッチウエイトマネジメントの方法」購入希望の有無をお知らせください。

鳥栖会場(日本ピアノ調律師協会九州支部主催)
・鳥栖市にて6月15日・16日の2日間に渡り開催します。
・協会員のみ参加できます。定員約50名
・参加費は両日参加で3,000円、どちらか一日の参加では2,000円です。共にお弁当とお茶を用意します。
・今年5月の基礎講座を土台にしてより実践的で具体的な手法を学びます。実技を主体として説明も織り交ぜながらたっぷりとタッチウエイトマネジメントの世界を体験していただきます。
・お問い合わせは研修会担当の古川さんまでお願いします。dabadaba12@yahoo.co.jp

画:中村明美



2016年5月4日水曜日

タッチウエイトマネジメント研修会2016 関東支部研修部主催研修会のご案内

関東支部研修部主催研修会のご案内です
この研修会は日本ピアノ調律師協会関東支部研修部の主催です。関東支部では昨年のフォーラムでの研修会に続いて2回目の開催になります。
今回は1日たっぷり使った研修会で、入門編から基礎編を簡単な実践体験を通じて学んでいただきます。講義と実際の試行を通じてタッチウエイトマネジメントの基礎を体験します。ご参加を心よりお待ちしております。


 【関東支部研修部タッチウエイト研修会】 

日時:6月5日(日)9時半~17時

定員:60名、5月5日受け付け開始で、先着順、申込締め切りは5月31日です。

参加費:会員¥1000(他支部、IAPBT会員も含む)非会員¥5000

会場:東京都渋谷区鶯谷町2-7 代官山音楽院 1F ホール渋谷駅から徒歩約10分)

ご参加申し込み・ご質問 お問い合わせは、nippikantou.kensyu@gmail.com  までどうぞ。

申込み時に、支部名(関東支部以外の方)、班名、お名前、連絡先電話番号とfaxかメールアドレスを記入して、送信して下さい。当日、有志で懇親会の予定あり(実費)

研修会内容のご案内


タッチウエイト調整の概要 
ダウンウエイトとアップウエイト、バランスウエイトとフリクション 
スタンウッドの平衡等式とアクション内のテコ比率  
鍵盤鉛調整・ハンマーストライクウエイト調整・鍵盤支点と鍵盤ウイペン接点の移動
事例研究 ハンマー交換する際のタッチウエイトマネジメント 
スマートチャートの作成と目標値の設定
3要素関連表の考え方  
タッチの2つの重さ、平衡重さと慣性重さ

上記予定は詳細のところで予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。
※参加者は次の工具をご持参ください:+・-ドライバー、グランド整調工具、15cmスケール、黒鉛筆・消しゴム、電卓。
※質問や要望等事前にありましたら事前に上記e-mailでご連絡ください。可能な範囲内で研修に組み込んで頂きます。

2016年4月24日日曜日

タッチウエイトの開拓者、デービット・スタンウッド氏を迎えて

4月15日から17日まで私の働くジェンキンピアノサービス工房にてニュージーランドピアノ調律師協会の年次総会とミニコンベンションが開かれました。

今回は元々私がデービット・スタンウッド氏の研修会を提案したのもあって、プログラム作りや仕込みなど、私が中心となって運営しました。

総会の様子

初日午前中は協会の総会。役員改選もありました。私は今年も副会長を引き受けました。

午後はオーストラリアからも参加者が集まり、ミニコンベンションの開幕です。
さっそくスタンウッド氏の講義第1弾、「フェルトの科学とピアノでの扱い方」です。羊毛の顕微鏡写真なども使ってその構造と特色を説明して、ピアノに使われるときの利点やその注意事項などを話していただきました。深層シュガーコーティング整音法の実演もあり、参加者は興味津々に見て弾いて聞いていました。

デービット・スタンウッド氏と私、メールでやり取りはしていたのですが、実際に会うのは初めて。


初日の講義の様子

2日目は1時間半を3コマ使ってタッチウエイトに関する集中講義でした。

1コマ目は「新タッチウエイト度量衡法の開発史」でした。弾きやすさを求めてアクションの改良を追い求めてきた歴史を語っていただきました。タッチウエイトを中心にどのようにしたら滑らかで弾きやすいタッチを得ることができるのか氏ならではの視点で解説してもらいました。

2コマ目では「アクションのテコ比率から何が創造されたか」。いよいよ精密タッチデザインの解説です。テコ比率がどのように計測され、どのような効果を生むのか。そしてどのように調整できるのかを実験を通じての説明でした。テコ比率の微調整ができるピアノ後付けシステムのSALAも写真をふんだんに使ってその構造と働きを解説していただきました。初めて目にする参加者も多く、「おーーっ」という声がそこここで上がっていました。

3コマ目は「ハンマーの重さが音とタッチに与える影響」というテーマでした。用意したグランドピアノにクリップを装着して実際にストライクウエイトを重くして、タッチと音がどのように変化するのか確認しました。氏のこれまでの研究資料からいくつものストライクウエイトの実例やストライクレシオとのかかわりなどハンマーがどのようにピアノの音とタッチに影響を与えているかを解き明かしてくれました。

講義の合間や休憩時間などにも質問に集まる参加者が絶えず、その内容の素晴らしさを裏付けていました。

3日目は氏の講義はなく、ニュージーランド協会の会員による発表を行いました。私は氏からミーティングの提案を受け1時間ほど会を抜けて氏の宿舎にお邪魔しました。タッチウエイトをめぐるいろいろな商品や他の技術者の研究について意見交換をしたり、慣性モーメントの計量方法で氏独自のやり方に意見を求められたり、次の段階となるであろう理論部分を方程式の形で表現することを勧められたりしました。
今後の新たなチャレンジを提示されてうれしく思います。


参加者全員による記念写真(オークランド、ジェンキンサービス工房にて)

2016年4月17日日曜日

投稿の一部削除のお知らせ

中村祐司のブログをご訪問頂きましてありがとうございます。

2016年4月27日にいよいよ「タッチウエイトマネジメントの方法」が発売となります。この本では現在の最新の考えを書き込みました。そこでこのブログの発端となったタッチウエイトに関する文章は混乱を避けるために削除いたしました。ご了承ください。

2013年のシドニーでのプレゼンテーションの翻訳の部分からはそのまま残してあります。今後状況を見ながら削除していく可能性はあります。

今後は本に関する質問に対する答えや実践した作業の様子をお伝えしていきます。また、研修会のお知らせや報告も随時載せてまいります。

フェイスブックでは「タッチウエイトマネジメント研究会」のページを主催しています。こちらでも同様に実践報告やコメントを載せていきます。興味のある方はぜひリクエストをお送りください。お待ちしています。

「タッチウエイトマネジメントの方法」いよいよ発売です!

かねてからご案内の「タッチウエイトマネジメントの方法」がいよいよ4月27日に発売開始されます!http://touch-w.wix.com/yuji

本体3,800円で消費税と発送手数料は別途いただきます。

クレジットカードご利用の方はペイパルを経由してお申込みいただけます。
ゆうちょ銀行での振り込み前払いもご利用いただけます。
関東支部フォーラムや5・6月に予定している一連のタッチウエイトマネジメント研修会でも販売いたします。

日本国外からのご購入の場合などは、送料等設定と異なりますので、この本の発行元になります清水ピアノ調律事務所の代表清水敬祐さん、piano.shimizu@gmail.com へどうぞお問い合わせください。


 




2016年4月9日土曜日

タッチウエイトマネジメント研修会2016 広島会場案内

中国支部広島会場からのご案内です

広島会場は日本ピアノ調律師協会中国支部の主催です。昨年に続き2回目の研修会開催となりました。昨年の入門・基礎編から一歩進んで実際にアクションでタッチウエイトマネジメントのやり方を試しながら体験していただきます。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。この研修会は一般参加も受け付けています。どうぞお問い合わせください。




 【中国支部タッチウエイト研修会】 

日時:6月13日(月)9時から受け付け開始、研修は9時半~5時半

参加資格:どなたでも参加できます。

参加費:日ピ会員千円、一般1万3千円(軽食付き)

会場:上野学園ホール406スタジオ 広島市中区白島北町19-1 TEL082-223-6367

定員:40名 (希望者が多い時は60名まで受け入れます。)

ご参加申し込み・ご質問 お問い合わせは:宮尾正樹さん miyao@jpta.org までどうぞ! 

研修会内容のご案内

タッチウエイトマネジメントではアクション全体を見て、各部分の重さや部品間のテコ比率を調整してタッチの重さを仕上げていきます。タッチウエイトを数値化して分析しますので、元のタッチより軽くしたり重くしたり、あるいはほぼ同じに仕上げたりと、顧客の要望に沿ったタッチ感を提供することができます。

アクションから何をどのようにしてデータ採集をするのか、データをどのように分析してどのように判断をするのか、そして実際にどのようにタッチの重さを変えることができるのかなどについて実技と共に体験いただけます。

<講座の内容予定>
・タッチウエイト調整の概要、その歴史と現状
・チェックリストを使用したデータ収集のやり方
・平衡等式とは何か、それで何がわかるのか
・アクションの各要素の変更とタッチウエイトへの影響の考察
・3要素関連表と適切なハンマーウエイトの選択
・タッチウエイトの2つの重さ、平衡重さと慣性重さ
・事例研究:具体例を通してそのアプローチ方法を概観する


上記予定は詳細について予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。
※質問や要望等事前にありましたら宮尾さん(上記連絡先参照)までご連絡ください。できる範囲で研修に組み込んでまいります。

*初出時に曜日が誤っておりました。訂正してお詫びいたします。

2016年3月27日日曜日

タッチウエイトマネジメント研修会2016 四国会場案内

四国会場からのご案内です

四国会場は日本ピアノ調律師協会四国支部の主催です。今年が初めての研修会開催です。昨年の広島会場にわざわざ四国からもお越しいただいていて、今回の研修会開催につながりました。関係者の方々にお礼を申し上げます。
当地での研修会では、他会場とはテーマが若干異なり、グランドでハンマー交換を行う際のタッチウエイトマネジメントのアプローチ方法にポイントを置いてお話しいたします。講義中心ですが、多少実際に触ってみたり確認したりする時間も設定しながら説明していきたいと考えています。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
また、この研修会は一般参加も受け付けます。どうぞお問い合わせください。




 【四国支部タッチウエイト研修会】 

日時:6月9日(木)9時から受け付け開始、研修は9時半~5時

参加資格:どなたでも参加できます。

参加費:他支部会員5千円、一般1万円です。
    (昼食代は含みません。別途1000円程度必要です。)

会場:三木町文化交流プラザ小ホール
          香川県木田郡三木町大字鹿伏360番地
          TEL(087)898-9222

ご参加申し込み・ご質問 お問い合わせは:
研修部長 山根辰夫  E-MAILmama_kumiko3956@yahoo.co.jp までどうぞ!

研修会内容のご案内

ダウンウエイトとアップウエイトを測定して基準値に仕上げる方法が通常行われています。タッチウエイトマネジメントではアクション全体の機構を考慮した上で、各部分の重さや部品間のテコ比率を調整して仕上げていきます。タッチの重さの感じを数値化して分析しますので、元のタッチより軽くしたり重くしたり、あるいはほぼ同じに仕上げたりと、顧客の要望に沿ったタッチ感を提供することができます。

アクションから何をどのようにしてデータ採集をするのか、データをどのように分析してどのように判断をするのか、そして実際にどのようにタッチの重さを変えることができるのかなどについて説明していきます。

<講座の内容予定>
・タッチウエイト調整の概要、その歴史と現状
・チェックリストを使用したデータ収集のやり方
・平衡等式とは何か、それで何がわかるのか
・アクションの各要素の変更とタッチウエイトへの影響の考察
・3要素関連表と適切なハンマーの選択
・新ハンマーでアクションをセッティングする
・タッチウエイトの2つの重さ、平衡重さと慣性重さ
・バランスウエイト基準の鍵盤鉛調整でタッチを揃える
・ハンマー交換の際に考えるべき整調の要素とアクションレシオ



上記予定は詳細について予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。
※質問や要望等事前にありましたら研修部長山根(上記連絡先参照)までご連絡ください。できる範囲で研修に組み込んでまいります。