2015年11月21日土曜日

中村タッチウエイトマネジメント研修会2016年のお知らせ(1月4日更新)



今年(2016年)のタッチウエイトマネジメント研修会の予定が決まりました。今年の研修会開催状況と次のステップとしての要望を踏まえて、会場ごとに行われる内容と難度が違います。詳細は各会場まだこれから詰めていくところですが、質問等ある方はそれぞれ下記連絡先か私までお問い合わせください。年が明けて開催要項や内容がまとまり次第個別に案内をしていきます。

北海道地区
・札幌市内にて5月28日開催予定
・有志によるプライベート研修会なので一般参加は受け付けていません。

東北地区
・仙台市内にて5月30日・31日開催予定
・有志による開催で広く一般参加を受け付けます。先着20名限定です。
・基礎編から応用編まで幅広く講義と実習を織り交ぜて学びます。少人数制で参加者全員が実技を体験し内容を深く理解することを目標にしています。(初級~中級)
・お問い合わせ・申し込みは阿部正明さんまでどうぞ。pia18h15@heronet.ne.jp

関東地区
・東京都内にて6月5・6日に全日研修会を2か所で行う予定(日程の確定は来年3月になります)
・2か所とも日本調律師協会関東支部主催で協会員は所属支部を超えて無料で受講できます。会員以外の方は参加できません。
・それぞれの会場で研修内容が異なります。一会場では入門編から初級中級編の説明が主体で、もう一つの会場は中級での実践編を予定しています。
・お問い合わせは私までどうぞ。yuji3804@gmail.com

甲信地区
・清水ピアノサービス工房(山梨県)にて6月18日開催予定
・有志による開催で一般参加を受け付けます。先着15名限定です。
・中級編から上級編の内容になる予定です。初心者の方には難しすぎる内容と思われますのでご注意ください。タッチウエイトマネジメントの各要素の設定の仕方や各作業でのポイントなど詳細がわかりずらい部分を重点に解説してきます。また、スタンウッドによる精密タッチデザインやファンデリックとローズによるITF-DIP計算器に関する情報も提供する予定です。
・お問い合わせは私か清水ピアノサービスの清水敬祐さんpiano.shimizu@gmail.comまでどうぞ。

北陸地区
・金沢市内にて6月7日開催予定
・日本調律師協会北陸支部主催です。会員のみ参加可能で他支部からも参加できます。参加費は徴収する方向で検討中です。
・タッチマネジメントへの入門・基礎編と初級編です。タッチの変化も体験しながら、アクションをどのように捉えてタッチウエイトを調整するのか学びます。
・問い合わせは私までどうぞ。yuji3804@gmail.com

中国地区
・中国支部地域内で6月11か13日に全日研修会を予定
・日本調律師協会中国支部主催で協会員は所属支部を超えて無料で受講できます。会員でなくとも参加可能です(有料)。
・昨年の基礎講座を土台にしてより実践的で具体的な手法を学びます。実技も多少取り入れながらタッチウエイトマネジメントの全体像を紹介していきます。
・内容の問い合わせや参加申し込みについては研修会担当宮尾さんまでご連絡ください。miyao@jpta.org

四国地区
・高松市内にて6月9日開催予定
・日本調律師協会四国支部主催です。参加資格等の詳細は追ってご案内します。
・タッチマネジメントへの入門・基礎編と初級編です。タッチの変化も体験しながら、アクションをどのように捉えてタッチウエイトを調整するのか学びます。
・問い合わせは私までどうぞ。yuji3804@gmail.com

九州地区
・九州支部域内で6月15日と16日の2日間研修会を予定
・日本調律師協会九州支部主催です。調律師協会会員は支部にかかわらず参加可能ですが、参加費の徴収を検討しています。会員以外の方は参加できません。海外(韓国・台湾)からも複数の参加がすでに予定されています。
・今年5月の基礎講座を土台にしてより実践的で具体的な手法を学びます。実技を主体として説明も織り交ぜながらたっぷりとタッチウエイトマネジメントの世界を体験していただきます。
・お問い合わせは研修会担当の古川さんまでお願いします。dabadaba12@yahoo.co.jp





2015年10月30日金曜日

無料ダウンロードファイル追加のお知らせ

ジェンキンピアノサービスのウェブサイトから無料ダウンロードできるファイルが増えました。

タッチウエイトに関するファイルは次の通りです。
1、APTTAコンベンションでの私の講義に使用したスライドショーのPDFファイル「アップライトアクションのタッチマネジメント」(英語)
2、アップライトアクションのタッチウエイトマネジメントチェックリスト(英語。日本語版は近日中にアップロード予定です。)
3、ピアノテクニシャンズジャーナルに掲載の私の論文グランドアクション編(英語)
4、同アップライトアクション編(英語)

もう一つデービット・ジェンキンによる表計算ファイルも載せています。これはパウレロ弦XM・0・1・2を使用した場合や弦の直径を変えたときなどの断線率の変化を確認できます。興味ある人はどうぞご覧になってください。

ユーザーネームとパスワードはyuji@jenkinpiano.co.nz までお問い合わせください。

ダウンロード可能な技術者向けのページはこちらです。
http://www.jenkinpiano.co.nz/services/for-technicians/

2015年10月23日金曜日

APTTA コンベンション in パース2015

今回のコンベンションは火・水・木曜日の開催となったので、月曜日に移動しました。


ホテルはインド洋を望むリゾートホテル。こんな所に泊まれるのは2年に一回のコンベンションだけです。


火曜日の午前中は役員のみの会議で、私はNZ協会を代表して入会試験官会議に出席しました。午後には全体総会に出席しました。

オーストラレージア協会の協会誌はコンベンションの時のみに発行されるので、この最新号は2年ぶり。

この中にプログラムも印刷されていて、私の出番は講義初日水曜日の午前中でした。


講義は40名弱の参加者を得て順調に進み、講義後も質問に答えました。

下の写真は昼食休憩中の大ホールの様子。一部の講演はここで行われましたが、私の講義も含めてほとんどの技術的な講義は別の小さな部屋3つに分散して行われました。


講義2日目の木曜日は朝一でヤマハの進藤さんによるCFX+ディスクラビーアの講義でした。進藤さんとはヤマハ勤務時代以来の知り合いですが、前回ニュージーランドで会って以来、20年近く振りの再会でした。

夜はフォーマルディナーで今回のコンベンション全日程が終了でした。

一晩明けた今日は都心に近い安めのホリデーアパートメントに移動し、来週の27日まで有給休暇と週末を利用してパースの観光をします。

2015年10月17日土曜日

スタインウェイのコンサートピアノのタッチウエイトマネジメント(後半)

HSW調整奇数鍵終了取り付け後の様子です。一本おきに調整されているので幅の違いがわかると思います。ハンマーフェルトの裾の角は隣と擦れないようにそぎ落としてあります。擦れているとタッチウエイトにして数グラムの抵抗になることもあります。

偶数鍵のHSWは奇数鍵とほぼ同じ傾向を持っていました。オリジナル(黒点)とHSW調整仕上がり後(赤点)のスマートチャートを次に示します。中音は目標をやや高めの設定にしましたが、オリジナルのハンマーが重すぎるものはそこまでもたどり着けませんでした。弾いた感じでは全く周りのとの差はないので、これで良しとしました。


HSW調整後、奇数鍵と同様の加工をしてアクションに取り付けました。
鍵盤バランスブッシングクロスは半カットし鍵盤に接着。ウイペンヒールには今回180番の布ペーパーを細く切って使ってみました。これまですべすべの厚紙を使っていましたが、布ペーパーは厚さも良好でずり落ちる心配もありません。もちろんサンプルでもその効果を確認しています。

鍵盤鉛は手前に入っていたものを事前に取り除いておきました。

バランスウエイトは最低音部46gから最高音部で38gまで基準値を変化させながら鍵盤鉛調整をしました。中低音域はやや重めのバランスウエイトで慣性モーメントを小さめに、次高音と高音域はバランスウエイトを低め、慣性モーメントをやや高めにすることを意識して調整しました。

これでフロントウエイトがシーリング値よりおおむねマイナス3g(高音)からマイナス8g(最低音)まで達成できました。鍵盤鉛はそれらの重心が鍵盤手前側の中央よりややバランスピン側に来るように気を付けながら配置してあります。また、隣同士の鍵盤でも鉛の位置関係をチェックして滑らかな慣性モーメントのつながりになるように意識しました。ハンマーストライクウエイトも調整してあるので、タッチの揃いはかなり良いはずだと思っています。私の弾いた感じでは以前よりかなり軽くなった感じがしました。

同僚に試弾してもらったところ一人は軽いのは良いが手ごたえが今一つ足りないかな、という感想、もう一人はこれでも少し重めに感じる、との感想でした。

納品先がかなり遠いので、検品にはNZで著名なオークランド在住のピアニストに依頼して試弾してもらうことになっています。どんな感想をいただけるのか楽しみです。



2015年10月2日金曜日

スタインウェイのコンサートピアノのタッチウエイトマネジメント(前半)




先月の末からスタインウェイのコンサートグランドピアノ、モデルDのタッチウエイトマネジメントを行っています。5年ほど前に大修理を施されているピアノですが、今度新しいオーナーに転売され遠くに行くことになりました。販売店の要望で最良のコンディションにセッティングします。修理時の仕事自体は同僚がやったのですが、その当時はまだタッチウエイトに関してまだ手探り状態だったので、私からは助言をせず通常の鍵盤鉛調整だけしていました。しかし改めて出会うことができたので、これを機に良好なピアノをどこまで引き上げることができるのか挑戦することにしました。特にタッチウエイトの再調整と整音・弦のセッティングなど試す良い機会だと考えています。

サンプルの測定から、スタンウッドの平衡等式と3要素関連表からバランスクロスのカットとウイペンヒールでの接点移動が必要と判断しました。実際にサンプル音にそれらの加工を施してからストライクレシオを測定したら良好な結果で、アクションレシオも下がりすぎることなく、通常の整調の範囲内で収まることも確認しました。そこでまず、奇数鍵のハンマーを外しハンマーストライクウエイトを測定しました。

傾向線では指標9から指標11の間でばらついています。このグラフからいくと指標10から11の間では調整可能ですが、今回は指標10付近に合わせることにしました(実作業では鉛筆で概略線を入れて調整時の目安としています)。現状でもそのレベルの重さの音は多くあり、十分な音量と音色が得られることが想定されます。そして全体にハンマーを軽めにできるので、バランスウエイトは重め(42gくらいかな、と考え中です)に取った上で慣性モーメントをなるべく小さめに設定すれば演奏会用の楽器として適当であろうと判断しました。

こんな感じで測定しながらスマートチャートとデータ表に記入していきました。(後ろに写っているアクションには残り半分のハンマーがついています。)


ハンマーストライクウエイトを測定した後、下針を刺して、ハンマーで打弦点あたりを叩いて、HSW調整に入りました。減らすものはテーパ部で大方減量し、それでも足りないものはテール部加工と穴あけでなんとか赤色のところまでたどり着きました。軽すぎる7~8鍵はハンマー鉛を入れて調整して赤色に合わせています。今日は残り半分のハンマーの測定をしましたが、ほとんど同じ傾向で同じようにばらついていました。それらは来週に加工していきます。





2015年9月18日金曜日

ミニ・コンベンションのお知らせ(2016年4月週末研修会のアップデート)


来年4月に行われるミニ・コンベンションのポスターができました。メインのゲストはデービット・スタンウッド、「ハンマーをめぐる大事な話」のテーマでフェルトについて、タッチウエイトについて多様な視点からアクションの中でのハンマーの重要性を掘り下げていきます。

その他私を含めて修理や整音・一般的なピアノ技術の話題などNZの技術者からの発表もあります。参加費は200ドルで、モーニングティーとアフタヌーンティーは会費に含まれます。

この企画に付属して14日と(か)18日に入会試験(ARPT資格試験)も予定しています。受験料は300ドルです。また、その前後にジェンキンピアノサービス工房にてワーキングエクスペリエンスを行うことも可能です。以上一連の企画に興味のある方はyuji@jenkinpiano.co.nz までお問い合わせください。

2015年8月29日土曜日

カワイKG5Dのハンマー交換

今月の初めからハンマー交換の仕事をしました。ピアノの先生宅のカワイKG5D、数年前に中古で購入したものの特に次高音が薄っぺらでタッチも軽いしなんとかしたいとのことで始まりました。

チェックリストと平衡等式の分析ではバランスウエイトがサンプル音で低音46g、中音40g、次高音46g、鉛は手前に2~3個入っていました。ハンマーストライクウエイトは下のスマートチャート青色の点。低音域ではハンマーウッドの密度が違うせいで部分的に重かったり軽かったりしています。中音は軽めで次高音から高音は重めに推移しています。ある意味、HSW調整されていないハンマーではよくあるパターンと言えます。

青色の点はオリジナルのHSW、赤色の点は新ハンマーHSW調整後

用意したハンマー(アーベルの標準品、緑色の点)も同様の傾向を示していましたが、HSW調整をして赤い点まで持っていきました。中音部は軽かったので隣との接触を避けるためのほんのわずか(0.1g程度)のテーパ加工と0.1g以下の最低限のテール加工のみを施しています。低音と高音は大きくテーパーを削り込んてテールで微調整しています。最高音はアーク加工も含めた最大限の加工をしましたが指標10以下には届きませんでした。加工中にそれは見えていたので次高音は中音と高音をつなぐように調整しています。ほとんどは減量方向での調整でしたが、低音と中音・次高音で12本程度ハンマー鉛による増量調整を行っています。時間の都合上最低音の微調整はせずに終わらせました。

緑色の点は穴あけ前の生ハンマー+標準シャンクストライクウエイト、赤色の点はHSW調整後


顧客が重めのタッチを希望していたため、もともとのストライクレシオ約6.0はそのままにしたのでレシオ系の調整はしていません。バランスウエイトは中音・低音46g、次高音・高音45gに設定しBW基準の鍵盤鉛調整を行いました。ただし、演奏上のことを考え慣性モーメントは下げる方向に持っていこうという目的のため、一番外側の鉛は事前にすべて抜き、バランスピン寄りの鉛重心が中央付近でBWを達成できる鉛詰めパターンにしました。HSWを中音に合わせて全体に低めに設定したので、ハンマー由来の換算慣性モーメント値も下がり、鍵盤の鉛も減らせて鍵盤自体の慣性モーメントも減らすことができました。

納品後の試し弾きでは音もタッチもかなり良くなったのでとても気に入ってもらいました。タッチの検査中にトレモロやpp、ffなどいろいろ試していましたが、それらのどれも反応が良く、満足している様子が伝わってきました。彼にとっては軽すぎはしないけれども重くも感じないそうでしたが、生徒にとってはこれで丁度良いかなとのこと。BW45g以上だとスタンウッドの基準では重めの限界ですが、タッチの強いこの弾き手にはその辺で丁度良く、そして慣性モーメントが小さいので弾き心地が良く、全く重すぎとは感じないのだと思われます。

ちなみに、整音は弾力を大きく出して基音を鳴らすように心がけ、調律は出だしの発音を豊かにして音色を出すようにし、そしてタッチ感と音色の向上のためにフェルト製のフロントパンチングクロスを使用しました。

蛇足ですが、今回アーベルのカワイ向けシャンクを利用しましたが、送られたきたシャンクがカワイオリジナルのシャンクとセンターの位置が高さ方向に1mm違ったので、ボアレングスを1mm縮め、打弦位置の確認を慎重に行いました。アクションだけ持ち帰っての作業でしたので、特に気を使いました。また、フレンジのスクリュー穴からテールまでの寸法も1mm長すぎたため、バンドソーに治具をセットし、レールに合うように注意深く加工をしました。


2015年8月15日土曜日

ニュージーランドピアノ調律師協会主催デービット・スタンウッド研修会

ニュージーランドピアノ調律師協会で来年の4月にデービット・スタンウッドを招へいすることが決まりました。年次総会を兼ねた週末研修会を2016年4月15・16・17日に渡って行い、その内スタンウッド氏の講座を45分×6~8コマ行うことになります。

内容はこれから詰めていきますが、スタンウッド氏の意向としてはハンマーに焦点を当てたいとのこと、一つの大きな柱がフェルト作りとハンマー製造、整音方法についての講義、もう一つはタッチデザインでのハンマーの重さとその役割などを掘り下げていく講義という計画です。

ニュージーランド協会の会員以外でも参加できます。ただし日本語通訳はありません。

場所はオークランドで、私の所属するジェンキンピアノサービス工房にて行われます。わたしはスタンウッド氏の窓口になっているので研修時間外にもいろいろと話を聞ける立場にあるので今から楽しみにしています。この研修会のあと5月後半から6月にかけて私自身の日本での研修会もありますので、それにも相当役立つことと思います。

この研修会に興味のある方は私あてメールをお送りください。yuji@jenkinpiano.co.nz


2015年8月5日水曜日

ジェンキンピアノサービスのウェブページよりファイルがダウンロードできるようになりました

私の所属するジェンキンピアノサービスのウェブサイトからタッチウエイトマネジメントに関係するファイルをダウンロードできるようになりました。
http://www.jenkinpiano.co.nz/services/for-technicians/

今のところ昨年PTGジャーナルに掲載されたグランドピアノのタッチウエイトに関する記事だけですが、順次増やしていきたいと思っています。その都度ブログ上にてお知らせしていきます。

会社のポリシーによりダウンロードするためにはユーザー名とパスワードが必要です。興味のある方はyuji@jenkinpiano.co.nzまでメールにてその旨書いておしらせください。(このブログの投稿への質問ではお答えできません。)

載せるファイルの内容から、ピアノ技術者のダウンロードを想定しています。どの地域で仕事をされているのか書き添えてください。また、日本ピアノ調律師協会会員の方はその旨を、ウェブサイトをお持ちの方はリンクをそれぞれ書き添えていただくとありがたく思います。その他書き足していただいても問題ありません。

プロのピアノ技術者ではない方も場合によってご利用いただくことができます。その場合はメールに、なぜ資料を読みたいのかその理由をお書きください。また、お住まいの地域と職業もご記載願います。

該当するページには私のファイルのほかにチャック・ベーム(Chuck Behm)のプロモファイル(英文)も掲載されています。興味のある方はそれもダウンロード可能です。日本語訳のファイルは彼のウェブサイトからご購入いただけます。http://www.pianopromoproductions.com/on-line-store.php#!/Translations/c/13241022/offset=0&sort=nameAsc

また、同一ページにニュージーランド国内業者向けの弊社の部品販売用ファイルも載っていますが、それはダウンロードをご遠慮願います。

2015年7月25日土曜日

ベヒシュタインのタッチ改良

当社の顧客所有のかなり新しめのベヒシュタインC234のタッチ改良をしました。

購入以来タッチの重さをなんとかしたかったそうで、他社の技術者に頼んでも効果がなかったとのことで当社に相談に来ました。

測定してみると、ストライクレシオが6.2、バランスウエイトも40g越えでしたので、明らかにストライクレシオの調整で改善できる症例です。ハンマーストライクウエイトは指標9でさほど重すぎないので、今回は手を付けないことにしました。

予算も限られているとのことで、今回はウイペンヒールへの厚紙挿入とバランスパンチングクロスの半カットを行い、鍵盤鉛調整はしないことにしました。計測2時間、作業4時間、納品時に軽く整調(ハンマーならしなど)1時間の仕事となりました。ヒールへの厚紙挿入も写真のようにアクションをひっくり返して行いましたので整調を大幅に変えることもなく、コストはかなり安くすんだと思います。

個人的にはHSWの調整と鉛調整もしたかったのですが、今回はパス。お客様からは、これこそ欲しかったタッチウエイトでとても気に入ったとのメールをいただきました。



2015年7月19日日曜日

中村タッチウエイト研修会2016の予定

(8月25日に日程を変更アップデートしました)

中村によるタッチウエイト研修会2016の開催要項が出来上がりました。これまで開催の意思を伺っている関係者の方には今日個別に案内を差し上げました。もし研修会の開催を考えている方がいらっしゃいましたら中村までメール(yuji3804@gmail.com )をいただければ資料をお送りします。日本ピアノ調律師協会会員の方は、まず所属支部の支部長か研修委員に話をしていただくと、支部での開催予定を確認できます。全くフリーな立場で研修会を主催することは可能です。お問い合わせください。

台湾協会での研修会が先方の都合で一年延期された関係で、以前に告知していた日程を変更いたしました。日本全域を5月下旬から6月中下旬にかけて回ります。5月下旬に北海道と東北、6月上旬に関東地区、6月中旬から下旬にかけて西日本を訪問いたします。

日本語で手に入るタッチウエイトに関する情報はかなり限定されており、自習できる環境ではありません。私のこのブログでもかなりの情報は公開していますが、公開していない部分もかなりあります。年に一回の研修会に参加しただけでは進歩が望めないことと、使用される単語に慣れるのがまず第一歩だと考えますので、現在自習に役立つマニュアル本を執筆中です。来年早々の発行を目指しています。どうぞご期待ください。


広島会場での講義の様子

2015年6月11日木曜日

ジェンキンピアノサービスのウェブサイトに日本語ページができました

私の勤務するジェンキンピアノサービスのウェブサイトに日本語ページが開設されました。

私の自己紹介とダウンロード可能ファイルの案内そしてタッチウエイトマネジメント研修会などの案内を載せています。どうぞご覧ください。

現在ダウンロードファイルは準備中です。できるようになりましたらご案内いたしますので少々お待ちください。

中村祐司 日本語での紹介ページ


2015年5月10日日曜日

中村によるタッチウエイト調整研修会後半も終了しました。

山梨会場その1:5月7日、山梨県の清水ピアノサービスさんの工房で関東支部中央線沿線地区9班主催の研修会を午前10時から午後6時近くまで、昼食休憩や小休止を間にはさんでの実習を主体として行いました。午前はタッチウエイト基礎編のダイジェスト版、その後グランドピアノ実践編を実際に参加者が行いデータを取りながら行っていきました。午後はそのまま続きを行い、途中講義もはさみながらサンプルアクションの性格を明らかにし、タッチ改良のために何ができて、どのようにやるかを実際にやってみながら体験しました。最後は本題からちょっと逸れてニュージーランドの高校生が作った世界一長いピアノ(約6m)に関するスライドも見ていただいたりしました。




山梨会場その2:5月8日は同じ会場にて、清水ピアノサービスさんの主催による研修会を午前10時から午後5時半ころまで、同様に行いました。前日から続けて参加されている方も多く、そちらのグループは持ち込んだアクションを実際に昨日の解析を元に改造を施しました。この日初めての参加者のグループは昨日と同様に、午前はタッチウエイト基礎編のダイジェスト版、その後グランドピアノ実践編を実際に参加者が行いデータを取りながら行っていきました。





これらの研修では実際に手を出して計算をして体験していただきましたので、より深くタッチウエイト調整の全体像を学んでいただけたと思います。

来年の研修会では今回の反省とフィードバックを元により効果的な内容で開催したいと思います。今回開催したグループの方々には直接案内申し上げますが、その他でもこの研修会に興味のある方にはご連絡いたしますので、メールにてお問い合わせください。yuji3804@gmail.com

今回の研修会シリーズを企画していただいた各支部の役員の方々、そしてわざわざ足を運んでいただいた参加者の方々にこの場を借りてあらためて厚く御礼申し上げます。
 
また来年にお会いできることを楽しみにしております。

2015年5月3日日曜日

APTTA コンベンション2015のご案内


5月10日最新情報に更新されました。

オーストラレージアンピアノ調律師・技術者協会主催のコンベンションが本年10月20日から22日にかけて開催されます。

2年に一度開かれるこのコンベンション、前回は2013年シドニーにて行われ、私も講師の一人として参加し、慣性モーメントを考慮したタッチウエイト調整について講義しました。今回は西オーストラリア州の州都パースにて開催されます。私は先日PTGジャーナルに載ったアップライトアクションでのタッチウエイト調整についての講義をします。他の講義は下記の案内をご参照ください。

参加を希望される方や興味ある方は、英語では西オーストラリア支部長のGary Bailey、gary@pianomagic.com.au までお問い合わせください。
日本語でのお問い合わせは私に送っていただいて結構です。yuji3804@gmail.com



The time has finally come! Welcome to the official start of The Western Australian APTTA Biennial Conference 2015~“Keys To Success”

The conference committee would like to express our gratitude for the support demonstrated by Major Sponsors,  Yamaha Music Australia and Musico Pty Ltd

Yamaha will be presenting Guest Speakers, Akihiko Shindo (Japan), Cameron Tate, Eric Ong,  Bernard Crowe. Akihiko Shindo will be present a Keynote Lecture on the Disklavia and Silent Yamaha Pianos. ヤマハからは真藤明彦さんによるピアノプレーヤとサイレントピアノの講義があります。

Musico will present Lothar Kiesche, (Schimmel) and Bees Jang, (Genio Silent Piano Systems) Musicoは後付サイレントピアノシステムの講義があります。

This email includes the URL (Uniform Resource Locator) or the button to push to register for the conference.

Please read the registration instructions at the bottom of this email to ensure that you will be comfortable with the registration process. 

The Registration Form has options to enable your choice of social functions. ディナーのご案内
The options are as follows:-
    *Cocktail Meet and Greet ($110)
          Tuesday Night, 6.30pm at the Rendezvous hotel.

    *Buffet Dinner with M.C. Chris Whelan ($110)
          Wednesday Night, 7.00pm  NB; buses will leave from Rendezvous Hotel at 6.30pm sharp

    *Formal Dinner with M.C. David Lawson ($110)
         Thursday Night, 7.00pm at the Rendezvous Hotel.
You can also choose the meetings and workshops you wish, or should attend. Those are:-
         Committee Meeting,
         Examination Committee Meeting,
         The Annual General Meeting (For Members Only)

Following the Conference we have organised two workshops at 79 Belgravia St Belmont. コンベンションの終会後2つの研修会が続けて行われます。
Friday 23 rd and Saturday 24th October;
        Upright action replacement with Bruce Clark, from Wessel Nickel  Gross America. WNG社によるアップライトアクションの交換作業。
        (Follow on from the Conference lecture).

Friday 23rd October;
       Grand installation of the Genio Silent Piano with Bees Jang from Korea. Genioサイレントシステムの取り付け研修。
       (Follow on from the convention lecture).

You can book accommodation in Great Eastern Hwy, Belmont for Friday and Saturday nights if you need. This will be more convenient than Rendezvous Hotel.
Sponsors we have invited to date are: Yamaha, Mason  Hamlin, Steinway, Schimmel, Bernstein, Wertheim, Bechstein, Beale, Grotrian, Bluthner, August Forster, Fazioli, Kawai, Bosendorfer.

Keynote Lectures to date;-     
Akihiko Shindo (Yamaha).
Bruce Clark (Wessell Nickel  Gross)
Lothar Kiesche (Schimmel)

Suppliers and Indenters;-
Parke Piano Strings and Materials, will be here with tools and those many parts you need.
Amey Piano Works, will have a display and Dave will give us a talk on tuning plank replacement.
Randy Potter, will be here again with his Sanderson Accu Tuner and workshop aprons.

Lecturers to date will be:-
Mike Ryan - (Grand damper regulation、グランドダンパー調整)
Yuji Nakamura - (Upright touch weights、アップライトピアノのタッチウエイト調整)
Bees Jang - (Genio silent piano fitting “upright piano”、サイレントシステム装着)
Brian Wilson - (Hammer voicing and rebuilding bad voicing、整音)
Gavin Dunn - (Polyester repairs、ポリエステル外装修理)
Les Davies - (Practical repairs and advice for tuning in house、顧客宅での調律と修理)
David Lawson - (Repeat from Sydney, Key Lead replacement、鍵盤鉛の交換)
Patrick Elms - (Temperament-based Tuning、割り振りを重視した調律)
David Amey - (Tuning plank replacement、ピン板交換)
David Jenkins - (Tone enhancement with restringing、弦の交換で音色向上)
Terry Miller from USA - (Google calendar、グーグルカレンダー)
Ben Taylor  Gary Bailey - (How to sell Piano Life Saver Systems、ピアノライフセイバーシステムをどう販売するか)
Bernard Beeson - (Replacement of Tapes cushions  Leathers、アクション小修理)
Kerry Cooper - (Re-stringing for Dummies、ダミーピンを利用した弦交換)
Randy Potter - (to be advised、詳細未定)
Guus van den Braak - (Cleaning pianos  actions, moth treatment, lubricants、内部の清掃、潤滑、虫害の処理)

Workshops;-
Bees Jang - (fitting Genio Silent Piano “Upright”),
Kerry Cooper - (Re-scaling for dummies)
Bruce Clark - (Wessel Nickel Gross about Composite Actions)
David Jenkins - (Tone enhancement with restringing)
Brian Wilson - (Tone enhancement through voicing)
Les Davies - (Practical repairs and advice on tuning in house). With David Lawson - (Key lead replacement). Repeat from Sydney.

External Workshops;- Also we have two workshops directly after the Conference on Friday and Saturday. These will be run after the conference and will be held at Piano Magic, 79 Belgravia St Belmont.

Friday 23rd; Bees Jang will be doing an instalation of the Genio Silent Piano on a Grand. This will be a follow on from his workshop at the conference. Sponsored by Bernie Capicchiano “Musico Pty Ltd”

Friday 23rd; Bruce Clark will be doing a two day install workshop for upright pianos. Using the fitting jigs and instruction on the process of ordering parts , this is a must for anyone contemplating rebuilding using the WNG Actions. Sponsored by Wessell Nickel  Gross and Mason  Hamlin.

Saturday 24th; will be Day Two of fitting the Wessell Nickel  Gross upright composite action.
Bridges Magazine; Each attendee will receive a Bridges Magazine which will contain the program for the conference.

We would like to thank you in advance for your support of your APTTA Australasian Conference.
Conference committee of Western Australia
Gary Bailey, Bob Hawker, John Cross Bernard Beeson  Patrick Carre.
Feel free to contact us if you have any concerns with the registration process.




2015年5月2日土曜日

中村によるタッチウエイト研修会前半は無事終了しました。


研修会その1:4月26日、東京・池袋で関東支部フォーラムで午前と午後2時間ずつの講義でした。午前の分はタッチウエイト基礎編とアップライト実践編簡略版、午後はグランドピアノ実践編を講義しました。定員28名のところ、それをかなり上回る方が希望したため一部立ち見を受け入れました。



スライドと実物のアクションを使いながらタッチウエイトの基礎と分析方法・タッチの具体的な調整方法を説明していきました。


研修会その2:4月29日、福岡で九州支部福岡の4班合同で午前10時から午後4時すぎまで、昼食休憩や小休止を間にはさんでの講義でした。午前はタッチウエイト基礎編、昼食後はグランドピアノ実践編を講義しました。ボール盤やサンダーを持ち込んで頂けたので、実際にハンマーを削ったり穴を開けたりもしてタッチウエイトが実際にどのように変わるのかもお見せすることができました。





研修会その3:5月1日、広島にて中国支部主催で午後1時から6時までの講義でした。出始めはタッチウエイト基礎編、続いてグランドピアノ実践編を講義しました。全部で70名以上の参加をいただきました。遠路はるばる東京や大阪・北陸・四国から来た方もいらっしゃいました。スクリーンを2つ用意できたので、スライドショーを会場の大スクリーンで説明しながら、実際に細かな作業をするところは別のスクリーンでご覧いただきました。






各会場とも休憩中や研修会後、そして懇親会でたくさんのフィードバックをいただきました。全体ではとても大事なことをやっているのはわかるのだが、難しすぎて一回聞いてわかるものではない。という声が多数だった感じです。そして必ず次があったら必ずまた来るから、それまで資料を読んで勉強するつもりだ、と異口同音に言っていただきました。新たな技術的な可能性の種をまくことができたと思います。

研修会を企画していただいた各支部の役員の方々、そしてわざわざ足を運んでいただいた参加者の方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

また来年にお会いしましょう。

2015年4月6日月曜日

研修会の詳細のお知らせ:関東支部中央線沿線地区9班主催(5月7日)と清水ピアノサービス主催(8日)

この研修会は盛況のうちに終了しました。参加されたみなさん、企画・運営していただいた関係者のみなさん、どうもありがとうございました。

関東支部中央線沿線地区9班主催の研修会のご案内です。

対象:日本ピアノ調律師協会員限定(空きがある限り9班以外の会員も参加可能)
会場:大月市の清水工房(詳細は参加者に通知されます)
日時:5月7日(木)午前9時集合、午後5時終了予定

研修内容:

1、タッチウエイトの基礎知識
 他の会場と同じ基礎編の講義です。小人数制のため、大事なポイントのところでじっくりと時間を使い、また細かな疑問・質問にも答えながら進めますので、一層理解を深めていただけます。

2、グランドアクションの測定と分析
 ハンマー交換予定のカワイ、タッチに問題のあるシュタイングレーバー、そしてヤマハの3つのアクションを題材に4人一組で作業をしていきます。スタインウッド方式での計測と中村式での慣性モーメント計算の両方を行いそのアクションの性格を浮き上がらせます。それぞれのピアノで違う結果が出ると思われますので、個別の作業と全員でのシェアを繰り返しながら進めていきます。採集したデータは最終的に全員が共有します。

3、タッチウエイト改善のための手法と実験
 2、で取れたデータを元に改善に向けた対策を考えます。そこで出された案を元に実際に作業をしてその結果をチェックしていきます。タッチウエイトの変化だけでなく、ストライクレシオとアクションレシオの計測を通じて、整調への影響も視野に入れて検討します。慣性モーメント値の違いによるタッチの違いも体験していきます。

4、新しいアクションパーツ使用の際の手順
 教材に使う3台のうちカワイは清水工房さんにより研修会後ハンマー・シャンク・ウイペンを新しい部品と交換予定です。研修会では新しい部品を組み込む際に考えなければならないことの説明や、作業することによって品質向上を見込める手法の解説をいたします。サンプルの鍵盤に新しい部品を組み込み、アクション部品の位置関係のチェックと調整、タッチウエイトのチェック、慣性モーメント値の変化の事前チェックをして、最適と見込まれる調整や改造の考察を行います。また、上記3までの項目では1台の中の1~2鍵を題材としてアクションの全体像を把握してみるだけですが、このピアノではハンマーストライクウエイトとフロントウエイトを全鍵に渡って測定し、一台をまとめる際にどのような視点を加えて検討するかも考えていきます。

この研修会では、他の会場での内容に加え実際にやってみる、考えてみる、という要素が多く含まれます。また、項目4の内容は時間と教材の都合上他の会場では紹介されません。実際にこの手法を取り入れようとする人にはより有益な経験となるでしょう。

実際にやってみる形での研修会の都合上、定員に限りがあります。班員を優先して受付していきますので、そのまま定員が満たされる可能性が高いですが、キャンセル待ちは可能です。お問い合わせください。

荒尾信隆 (班長)nobuarao@nifty.com
清水敬祐 (研修幹事)piano.shimizu@gmail.com
加藤正人 (研修幹事)

5月8日(金)は清水工房さんの自主開催での研修会が企画されました。2012年に行ったスタンウッド研究会の延長線上にあたる会です。前回の参加者や日ピ会員だけでなく一般の参加もできますが、すでに定員となっています。キャンセルが出る場合もあり得ますので、参加ご希望の方は、幹事の清水敬祐さんまでお問い合わせください。内容は7日とほぼ同じになりますが、スタンウッドの計測法などすでに経験済みな部分は時間を節約できるので、その分深く作業していくことができるでしょう。
清水敬祐(清水ピアノサービス) piano.shimizu@gmail.com

2015年3月22日日曜日

デービット・スタンウッドの論文の日本語訳がダウンロードできるようになりました


スタンウッドの新タッチウエイト度量衡法に関する4つの主要な論文の日本語訳が彼のウェブサイトからダウンロードできるようになりました!

昨年暮れから取り組んできた翻訳がこのたび完成し、スタンウッド氏のウェブサイトに公開されました。スタンウッド方式の基礎を説明した主要な論文です。

1、新しいタッチウエイト度量衡法(PTGジャーナル1996年6月号に掲載)
  • スタンウッド方式の考え方とやり方を初めて発表した記念すべき論文。現在の改善されたやり方と一部違うところがあります。

2、新タッチウエイト度量衡法の作業標準(PTGジャーナル2000年2月号に掲載)
  • 改訂されたやり方を紹介した論文。現在使用されているやり方を説明します。

3、新タッチウエイト度量衡法の視点を通して見たグランドアクション(PTGジャーナル2000年3月号に掲載)
  • 旧来のやり方で見過ごされてきたグランドアクションの問題点を、この方法を使って解明し、説明します。
4、タッチウエイト調整の構成要素~未来に向けた青写真(PTGジャーナル2000年4月号に掲載)
  • このやり方を利用してどのように現行のグランドアクションを改善できるのか、メーカーと技術者にどのようなメリットをもたらすのかを説明します。

これらの論文は下記リンクよりダウンロードできます。併せてスタンウッドのサイトのほかの部分もご覧頂くことをお勧めいたします。www.stanwoodpiano.com/articles.htm



2015年3月13日金曜日

研修会の詳細のお知らせ:関東支部主催ピアノテクニシャンズフォーラム2015


この研修会は盛況のうちに終了しました。ご参加の皆さん、そして研修会を主催してくださった役員のみなさまに御礼申し上げます。またお会いできる日を楽しみにしております。


東京で開催する研修会のご案内です。4月26日(日)標記フォーラムのプログラムの一部として開催します。

フォーラム自体は一般の方も入場できますが、私の研修会は日本ピアノ調律師協会会員限定です。また、部屋の都合上先着28人限定となりますので、是非聞きたい!と言う方は先手必勝で抜かりなくどうぞ!!

私の講義は午前10時~12時と午後4時~6時です。
午前の部はタッチウエイトの基礎編とアップライト編の簡略版、タッチウエイトとは何か、タッチ調整の最先端の概略、そしてアップライトピアノで何ができるのかなどについてお話します。
午後の部はグランドアクションの実践編として、実際にどのように分析し、何ができるのか紹介していきます。

お問い合わせは関東支部事務局info@jpta.orgまでどうぞ。




2015年3月8日日曜日

研修会の詳細のお知らせ:中国支部広島会場

この研修会は盛況のうちに終了しました。ご参加の皆さん、そして研修会を主催してくださった役員のみなさまに御礼申し上げます。またお会いできる日を楽しみにしております。


今回の私の研修会シリーズでは、日本ピアノ調律師協会会員以外の方で参加可能な講座はこの広島会場のみです。

平成27年度第1回研修会

 「タッチウエイト調整 基礎から実践」
                    
一般社団法人 日本ピアノ調律師協会中国支部
                   支部長 岩本 健一 研修担当 田中 信雄

ニュージーランド在住の中村祐司氏をお迎えして「タッチウエイト調整」についての研修会を開催いたします。タッチウエイトとはいったい何か?この度の研修ではこれまで感覚的な判断で進めがちな作業を可能なかぎり数値化してタッチウエイトの改善につなげていく研修内容となります。
日本でタッチウエイト調整と言えば主に鍵盤鉛調整を指しますが、アクション全体で見ると調整できる場所が他にもあります。それらの中から個別の状況にあった作業を選択することによって、予算に見合った作業で要望に適ったタッチを作り上げる事ができるのです。

日時:5月1日(金)13:00~17:30(受付12:00)

会場:広島市東区民文化センタースタジオⅠ(広島市東区東蟹屋町10-31
   JR広島駅北口より徒歩15分)

会費: 12,000円(会員は無料)

懇親会費:4,000円(18:30より)

  •   研修会参加者には、アメリカPTGジャーナルに掲載された中村氏のタッチウエイトに関する論文ならびにデヴィッド・スタンウッド氏David Stanwoodによる論文の資料を配布いたします。(当日参加者は不可
  •  会場にてイトーシンミュージック様による販売会(12時開店)がございます。
  •   研修日(当日・前日)のホテル予約承ります。ただしゴールデンウィーク中の為、割高になったり、満室になる可能性がありますので各自で早期にご予約される事をおすすめいたします。
お問い合わせ:中国支部事務局 mail2895@jpta.org 
             (お申し込みなき参加はご遠慮ください

研修の内容は九州支部の研修会の案内をご参照ください。http://yujipiano.blogspot.co.nz/2015/03/blog-post.html


***中国支部総務担当よりお知らせ***


中国支部会員以外の方で研修会参加希望の方は 

mail2895@jpta.org にご連絡をお願いいたします。
(4月20日締め切り)

メールには、
お名前
・ご住所
・電話番号(携帯)
・会員か否か
・懇親会の出欠
・宿泊手配の有無
をご記入ください。

よろしくお願いいたします。

2015年3月7日土曜日

研修会の詳細のお知らせ:九州支部福岡Ⅰ・Ⅱ区筑後地区佐賀地区主催分


一般社団法人日本ピアノ調律師協会九州支部
福岡Ⅰ・Ⅱ・筑後・佐賀地区合同技術研修会のお知らせ

この度、福岡地Ⅰ・Ⅱ地区 筑後地区 佐賀地区の4区合同の技術研修会を開催する運びとなりました。 講師にはニュージーランドから中村祐司氏をお迎えし、GPを使用してのタッチウェイト調整をテーマにご指導いただきます。また、奥深いタッチウェイト調整の世界を学ぶために、今後のシリーズ化も視野に入れて企画しております。

貴重なこの機会にぜひ、合同参加4地区以外の会員の皆様にも広くご参加頂ければ幸いです。









研修会は盛況のうちに終了しました。ご参加のみなさん、幹事の役員のみなさま、大変お世話になりました。











 
日時:2015429日(水・祝) 9:30受付開始 1000研修開始 1630研修終了予定
 
会場: 小郡市 東野校区公民館内多目的ホール 住所:福岡県小郡市三沢83
 
講師:中村 祐司氏 
 
研修テーマ:タッチウェイト調整に関する基礎知識の講義とGPを使用しての実践
 
使用楽器:ディアパソングランドピアノ ・3
 
参加料1,000円(お弁当とお茶を用意いたします) 参加資格:ピアノ調律師協会会員のみ 
     
※会場の駐車場には限りがございます。
恐れ入りますが乗り合わせや公共交通機関での来場に、ご協力をお願い申し上げます

※研修会終了後、会場近くの中華料理店 龍宮にて懇親会を予定しております
(会費は4000円ほどの予定です)多数のご参加をお待ちしております

ご参加申し込み・ご質問 お問い合わせは下記連絡先までお問い合わせ下さい。

福岡Ⅰ区地区長 古川 
TEL
 : 090-7533-2462  E-MAIL : wataru.furukawa24@gmail.com PC dabadaba12@yahoo.co.jp

福岡Ⅱ区地区長 小池
TEL : 080-6982-0226  E-MAIL :  k69820226@kawai.biz.ezweb.ne.jp PC koikes@kawai.co.jp

筑後地区長 庄司
TEL : 090-8833-7072  E-MAIL :   PC  

佐賀地区長 小野

TEL : 080-3965-0240  E-MAIL :   PC  


中村祐司氏によるタッチウエイト研修 当日実施内容の参考資料
基礎編(研修会の前半2時間程度)
タッチウエイトとはいったい何か?どのように数値化してどのように調整するのか?について概略を解説します。日本でタッチウエイト調整と言えば鍵盤鉛調整を指しますが、アクション全体で見ると調整できる場所が他にもあります。それらの中から個別の状況にあった作業を選択することによって、予算に見合った作業で要望に適ったタッチを作り上げることができるのです。基礎編ではその概要を解説します。

·        タッチウエイトをどのように計測するか(ダウンウエイト・アップウエイトなど)
·        タッチウエイト改善のために使われる手法の例(MBA,MAA、ウイペンサポートスプリング、タッチレールなど)

  タッチの重さを調整するために何をどうするのか?(アクションレシオとストライクレシオ、ハンマーストライクウエイト、慣性モーメントとギアレシオなど)



    鍵盤鉛調整の意味と有効な活用法

·        最新のタッチウエイト調整の方法の紹介   
1、スタンウッドのタッチデザインとSALA
2、ダレル・ファンドリックとジョン・ローズによるITF-Dipカルキュレーター
3、マリオ・イグレックによるプラクティカルタッチ調整システム
4、中村によるタッチマネジメントの手法


グランドピアノ実践編(研修会の後半3時間程度)
グランドピアノの修理ではタッチウエイトに関する知識を持つことによって、より高いレベルでのサービスを提供することが可能になります。単純なタッチウエイトの変更やハンマー交換時におけるタッチウエイトの設定と確認、そしてシャンクやウイペンの交換やキャプスタンスクリューの移動を伴うアクションの大修理など、タッチウエイトの管理方法を知らなければ最良の結果は得られません。アクション全体を見て何をどのようにチェックするのか、どのようにタッチウエイトを意識的に設定していくのか、慣性モーメントの影響をどのように勘案するのか、などを理解するための講義です。



  ※研修会当日、時間等の余裕がありましたら、アップライト編の内容にも触れる予定です


 中村祐司氏(なかむら・ゆうじ)プロフィール  

ヤマハピアノテクニカルアカデミー第3期卒業
ヤマハ株式会社入社、アップライト工場3ヶ月研修、グランド工場3ヶ月研修、コンサートグランド工場1年半研修の後、コンサートピアノ工場で3年間整音・調律業務と新商品開発補助。東京支店アーチストサービス室に2年勤務。北海道支店2年勤務の後退社。北海道立旭川高等技術専門学院木工科にて木工技術を1年間学ぶ。
北海道芸術専門学校調律科に講師として勤務。2年目に主任講師に就任。1999年に閉校するまで6年間勤務。
同年ニュージーランドに移住し、ジェンキンピアノサービスに勤務。2004年にパートナー(共同経営者)になり現在に至る。
オーストラレージアピアノ調律師・技術者協会ニュージーランド支部、ARPT会員。入会試験検定委員。現ニュージーランド支部副支部長。
ニュージーランドの研修会で定期的に講師を務める。2013年シドニー開催されたオーストラレージアコンベンションでタッチウエイトについて講義を行う。
グランドピアノのタッチウエイトに関する論文がアメリカ協会の会報「ピアノ・テクニシャンズ・ジャーナル」の2014年9月号と10月号に、アップライトピアノに関する論文が2015年1月号と2月号に掲載される。

2014年10月にクイーンズランド支部の招聘により、アップライトとグランドピアノのタッチウエイトについて講義を行う。