2013年11月13日水曜日

タッチを変える Page 4: 5つに分類する


3枚目のスライドでは、いろいろとできることを並べてみました。それをまとめると5つに分類することができます。

1つ目はスタンウッドシステムを利用することによりアクションの性格を浮き彫りにすること。これでアクション部品の重さのバランスやアクション比などがわかり、各部の寸法や重さの調整に進むことができます。後で詳説することになりますが、タッチウエイトを決める重要な要素の一つ、バランスウエイト値をこれで設定します。

2つ目はアクション内の接触摩擦抵抗を調整することです。これはスタンウッドシステムでの計測で全体像をつかみ、各部分ごとにチェックすることになります。フレンジや鍵盤ブッシングのスティック、バランスホールの固さ、ローラーの形状や磨耗具合、キャプスタンスクリューとウイペンヒールの摩擦具合など基準値のあるものは基準値に入るよう調整し、摩擦を軽減したいところは潤滑剤を使って動きをスムーズにするなどします。

3つ目は私の開発した方法で慣性モーメントの値を求め、そちらからの視点から各部の重さと長さの比を詰めていきます。慣性モーメントとは物体がトルクを加えられて回転運動させられるときに働く抵抗で、スタンウッドシステムで求めるタッチの重さとは違った種類の重さです。それぞれ別々なアプローチが必要ですが、最終的な作業では共通項も多く、双方を考えながら作業内容を決定していくことになります。

4つ目はアクションの基本位置のチェックをします。これは本来一番始めにやらねばならないことですが、今回の講義では時間の関係上焦点を当てませんのでこの位置にあります。シャンクとウイペンの位置関係、マジックラインなどの調整がここに入ります。

最後のカテゴリーは、タッチの重さを調整するために開発された部品や器具を利用して改善する方法です。磁石やスプリングを効果的に使ってタッチ感を調整することができます。(講義では深入りしませんが、興味のある方はブログの以前の投稿(第2章など)をご覧になってください)

次のスライドではスタンウッドシステムについての説明に入っていきます。

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