2013年11月30日土曜日

タッチを変える Page 21: 中村フロントウエイト計算表


前回のスライドではバランスウエイトと慣性モーメントをフロントウエイトを仲立ちにして関係付けることができる、という説明をしました。ここでは具体的に表を使って見ていきます。

上に位置する大き目の表がフロントウエイト計算表です。下の左側がスタンウッドの公式計算表、下の右が慣性モーメント(鍵盤)計算表です。

フロントウエイト計算表の一段目はオリジナルのまま測定したフロントウエイトです。この場合28.9gですが、この数値はスタンウッドの表のオリジナルでの測定値が入力されているところから自動的に表示するように設定してあります(赤色の線)。

慣性モーメント計算表の一段目は黄色くハイライトしてありますが、これがオリジナルでの測定値です。ここから計算で求められたフロントウエイト値はフロントウエイト計算表の二段目に自動的に表示されます(青色の線)。

一段目の数値と二段目の数値では若干の違い(2.2g)があります。これは実測値と計算値の違いで、誤差が生じても別におかしいことではありません。後でタッチの重さを変更するためのシュミレーションしていく中でこの数値を繰り入れて補正します。

次のスライドで詳しく述べますが、スタンウッドの公式の最下段にあるフロントウエイト値はそのシュミレーションをして出てきた想定値です。これはコンピュータ上での推測の数値で、いくつかの改善策を施してみた結果得られるであろうという数字です。実際にアクションをいじらなくともまずこの段階で作業の方向性を決めることが可能です。

というわけで、ここに出てきた期待フロントウエイト値は24.9gです。この値は改造を施した後に出てくるであろうと想定した実測値ですので、その時の計算による想定値はこれより2.2g小さくなることが予想されます。なぜなら、オリジナルの計算値はオリジナルの実測値よりも2.2g小さかったのですから、改造後も同じようなギャップがあると予想できるのです。

すると、慣性モーメント計算表の鉛の位置と質量を適度に入れ替えて、その配置で計算されて出てくるフロントウエイト想定値がこの場合24.9-2.2=22.7gになるのであればその鉛の配置が改造後の位置になると言えます。そして、その時の慣性モーメントの値が改造後に想定される値だとも言えるわけです(緑色の線)。

このようにして、スタンウッドの公式計算表と慣性モーメント計算表をフロントウエイト計算表を仲立ちとして結びつけることができました。次のスライドでは、どのようにシュミレーションしていくのか具体的に見ていきます。

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